つらい時こそ
笑顔で。 というのが、福士加代子のモットーだ。
「自分も周りの人も楽しめたらいいな。」
それがそのままの彼女の想いなのだ。
「日本人トップをめざす。」
トラック競技では日本において向かうところ敵なし。 2006年に初めて挑戦した丸亀ハーフマラソンでは後半ペースダウンしたものの、いきなり1時間7分26秒の日本新をマークしている彼女の事だ。 そりゃあやるからには当然トップをめざすだろう。 変な計算の無い、あっけらかんとした明るさが彼女の持ち味なのだ。 ただただ自分にとって初めての42.195Kmに挑戦してみたかったのだろう。
そして、彼女は精いっぱいに走った・・・。
レースを見た方はわかると思うが、レースとしての結果は前半は独走状態だった。が、しかし30Kmを過ぎて突然失速。 あの福士に笑顔がない。 何かがおかしい。 そして後続の選手達に次々に抜かれてしまった。 「頭の中が真っ白になり、記憶が無かった。」 真横で見守る永山監督の制止に受け答える余裕などあるはずもない。 彼女はただただ精いっぱいに前を見て走っている。 そして転倒。 でもあきらめない。 また転倒。 見ていて泣きたくなってくる。 また走り出す・・・。 また転ぶ。 板柳のお母さんの顔が画面に映し出される。 その切なさに私はうっ、と嗚咽しそうになる。 それでもまた立ち上がる。 ”わたしったらみんなが見ている前でこんな事になっちゃってどうしよう・・・”。 こんな極限状態にあっても、彼女は周囲の事を思っている。 彼女の笑顔は繊細すぎる思いやりの心の裏返しだ。 恥ずかしがりの津軽人の特徴だ。 彼女のあの笑顔が、あの笑顔こそが極限状態の彼女自身をささえている・・・。 それは生まれたままの彼女の魂そのもののように私には思えた。 そして見事ゴール。 彼女はやり遂げたのだった。
君は津軽の魂を見せてくれた。 その笑顔もひっくるめて・・・。 人はいろいろ言うだろう。 だが、気にするな。 やって見なければわからないことがある。 それを君はやって見せてくれたのだ。
福士ありがとう。 ほんとにおつかれさまでした。
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